進学個別指導塾ノエクリ

ブログ

BLOG

ベクトルが嫌いな人へ|使うべき公式を即座に見分ける3つの『神ワザ』

荷川取

― どの瞬間に使うべきかがひと目で分かる ―

はじめに

ベクトルは「どの式を使えばいいのかわからない」「式の意味が分からない」で手が止まりがちですが、
実は パターンさえ知っていれば得点源になる単元 です。

今回は、入試で本当に使える 神ワザ3つ
“どの瞬間に使うべきか” を明確にしながらまとめました。


神ワザ①
位置を知りたいなら、係数の和=1を無理やり作れ

― ベクトル式が出た瞬間に比が確定する最強テクニック ―

◆ 神ワザ①を使うべき瞬間

次の形に遭遇したら 一撃で使える ワザです:

\[\vec{OP} = s\vec{OA} + t\vec{OB}\]

しかも、s や t が

小数、分数、よく分からない係数
になっている場合。

このとき s+t を1にそろえてしまえば比が分かる
これが神ワザ①の発動点。


【実例:国公立標準レベル】

A(2,1), B(8,4)。
P が \[\vec{OP}=2\vec{OA}+3\vec{OB}\]

と表されるとき、Pの位置を求めよ。

● 神ワザ①の使いどころ

係数は 2 と 3。
合計は 5。

「5で割れば分点になる」 と即判断。

● 実際にそろえる

\[\vec{OP}=5\left(\frac{2}{5}\vec{OA}+\frac{3}{5}\vec{OB}\right)\]

括弧内の係数合計=1
A:B=3:2 の内分点


◆ 神ワザ①が刺さる入試パターン

  • 分点の位置を求める
  • 三角形の重心・中線・比の問題
  • 等式から点Pの位置を求める問題
  • 共通テストの誘導で微妙な係数が出る場面

何より
“位置関係を式を見るだけで理解できる”
のが最大のメリット。


神ワザ②
「動く範囲」の問題は、s,t の条件4パターンで即答せよ

― 三角形・線分・平行四辺形を計算なしで判定 ―

◆ 神ワザ②を使うべき瞬間

  • 問題文に 「Pが動く範囲(または存在範囲)を求めよ」 とある
  • ベクトルが s,t を使った式になっている
  • そこに s,t の等式or不等式 がくっついている

この3点が揃った瞬間、

計算より先に “s,t の条件の形” を読む
これが神ワザ②の使いどころ。


◆ よく出る条件パターン4つをインプットせよ!

s,t の条件P の動く範囲
s≥0, t≥0, s+t=1線分AB
s≥0, t≥0, s+t≤1三角形OAB内
0≤s,t≤1平行四辺形 OAB A’
s+t = 定数直線

【例題:共通テスト頻出レベル】

\[\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB}\qquad(s\ge0,\;t\ge0,\;s+t\le1)\]

点Pの動く範囲を答えよ。

● 神ワザ②の使いどころ

不等式が見えた瞬間にこれは範囲判定問題 と気付く。

条件は

  • s≥0
  • t≥0
  • s+t≤1

三角形OAB の内部と辺

● 解答

Pは三角形OABの内部およびその境界上に存在する。

◆ 神ワザ②が刺さる入試パターン

  • “存在範囲”を問う問題
  • パラメータを使った文章問題
  • 共通テストの誘導問題
  • 二次試験の前半で出てくる“範囲の確認”問題

特に計算が増えそうな場面ほど神ワザ②が効く。

◆ 併せて使えるテクニック②

s=0 / t=0 / s+t=1 の3本線で枠を作る

  • s=0 → OB 上
  • t=0 → OA 上
  • s+t=1 → AB 上

この3つさえ理解していれば、
問題がどれだけ複雑に見えても枠組みが一瞬で決まる。


神ワザ③ベクトルで角度が絡んだら内積!垂直・平行・最大最小を一撃で判定

― 角度の情報を直接読み取る ―

◆ 神ワザ③を使うべき瞬間

次の語句が出てきたら 迷わず内積へ切り替える。

「垂直」

「直角」

「平行」

「なす角」

「最大」「最小」

いずれも角度問題なので、
内積で処理するのが最短ルート。


◆ 判定表

条件方法
垂直内積=0
平行成分比が等しい
和ベクトル最大方向が同じ(θ=0°)
和ベクトル最小逆向き(θ=180°)

【例題:国公立標準レベル】

点Pを \[\vec{OP}=\vec{OA}+t\vec{AB}\]で表す。
PA ⟂ PB をみたす t を求めよ。

● 神ワザ③の使いどころ

「PA ⟂ PB」 → 内積=0
と判断するのが開始点。

● 解法

\[\vec{PA}=\vec{OA}-\vec{OP}=-t\vec{AB}\]

\[\vec{PB}=\vec{OB}-\vec{OP}=(1-t)\vec{AB}\]

内積=0

\[(-t\vec{AB})\cdot((1-t)\vec{AB})=0\]

\[t=0,  t=1\]

→ A と B のとき直角三角形が成立。


◆ 神ワザ③が刺さる入試パターン

垂直条件

なす角一定

和ベクトルの長さの最大・最小

中線や高さの条件

三角形のタイプ(鋭角/直角/鈍角判定)


◆ 併せて使えるテクニック③

成分で行くか/ベクトルのまま行くかを最初に決める

ベクトル問題は処理選択ミスが一番危険

  • 座標計算 → 成分が強い
  • 範囲・比 → ベクトル式のままが強い
  • 内積中心 → 成分が圧倒的

最初の5秒の判断で勝負が決まる。


まとめ:3つの神ワザは“使う場面”を掴めば威力が最大化する

神ワザ発動する瞬間得られる効果
① 位置を知りたいなら、係数の和=1を無理やり作れベクトル式にs,tが出た瞬間分点の比が丸見え、位置関係を瞬時に把握
② 「動く範囲」の問題は、s,t の条件4パターンで即答せよ不等式つきのパラメータが出た瞬間計算なしで図形の場所が確定
③ ベクトルで角度が絡んだら内積!垂直・平行・最大最小を一撃で判定垂直・平行・角度・最大最小が出た瞬間最短ルートで式を作れる

お問い合わせ

オンライン個別授業 or 校舎に通うリアル個別授業
LINEでのお問い合わせも可能です。お気軽にお問い合わせください♪

前のページへ戻る

投稿者

荷川取

富士校舎の校舎長荷川取です!

▲▲クリックして荷川取のブログ一覧(80ブログ公開中)を見る

お問い合わせ・ご相談はこちらから