静岡県中学入試・算数で差がつく「文章題」と「立体図形」攻略法
2025.10.28 富士校
荷川取
目次
1. 算数は「差がつく」どころか「合否を決める」教科

静岡県の中学入試では、算数は合格ラインを左右する最重要科目です。
とくに上位校では、国語や理科・社会で大きな差がつきにくい分、
算数が合格・不合格の決め手になるケースが多く見られます。
平均点が50〜60点台でも、上位合格層は80点前後を安定して取る。
この差を生むのが、次の2分野です。
・条件整理と論理思考を要する「文章題」
・空間把握力と正確な作図を要する「立体図形」
これらは一夜漬けでは伸びず、「思考の順番」を体に染み込ませる必要があります。
11月〜12月は、まさにこの“型”を固める最終期間です。
2. 静岡市・富士市の人気中学の算数傾向

ここでは、近年の入試問題や出題分析から見える学校別傾向を簡潔に整理します。
【静岡聖光学院中学校】
・難易度:やや難
・出題傾向:
文章題(特に比・割合・速さ)+立体の切断・展開図・体積計算。
1問に複数の条件が組み合わさる思考型が多い。
・特徴:
「図が描けるか」が勝負。
立体のイメージだけでなく、論理的な整理力が問われる。
【星陵中学校(富士市)】
・難易度:標準〜やや難
・出題傾向:
文章題、規則性、グラフの利用、割合・速さ・濃度など定番分野が中心。
出題形式が安定しており、基礎力の完成度が合否に直結。
・特徴:
基礎の取りこぼしを防止することはもちろん、“難問対策”が不可欠。
苦手単元を早めに潰しておくことが鍵。
【不二聖心女子学院中学校】
・難易度:標準
・出題傾向:
平面図形の面積・立体図形の展開図・体積、数量関係の整理、単位換算、確率など。
正確な計算力+文章理解力が必要。
・特徴:
問題文の条件を丁寧に整理することで確実に得点できる。
文章題で「図に書かずに進める」受験生は要注意。
3. 文章題攻略のカギ:「図」「表」「式」の三段階整理

文章題は、解法暗記ではなく「情報整理の順番」が勝敗を分けます。
【ステップ1:状況を図にする】
・速さの問題 → 線分図
・割合・比 → 面積図
・食塩水・売買 → てんびん図
図を描くことで、頭の中にあった曖昧なイメージを可視化できます。
「見えない関係」が目に見えるようになると、迷いが減ります。
【ステップ2:数量関係を表にする】
表を作ると、問題全体の構造が整理され、どの量を求めたいのかが明確に。
たとえば速さなら、
「距離=速さ×時間」を縦に整理して、式のミスを防げます。
【ステップ3:式で結論を導く】
条件式が2つあれば連立方程式。
比例・反比例ならグラフ化。
図と表があることで、式が「見えてくる」ようになります。
👉 “式から考える”のではなく、“図から考える”ことが大切。
11月は、式変形よりも“条件の整理練習”を優先しましょう。
4. 立体図形攻略のカギ:「見えない部分を描く」

静岡県内の中学入試では、立体図形は毎年どこの学校でも最頻出。
しかも「難問」と思われがちですが、パターンを知れば必ず得点できます。
【頻出テーマ】
- 立方体の切断(面の位置関係・体積比)
- 展開図からの立体認識(どの面が接するか)
- 投影図(真上・正面・右側面)
- 回転体の体積(円・円柱・円錐)
多くの受験生は「イメージできない」と言いますが、
コツは“描いて考える”こと。
【ノエクリ式練習法】
①立体から平面を抜き出す
②同一の辺・点をマークして整理
👉 平面の展開図から立体を再構築できるようになると、
「見えない部分を想像する力」が身につきます。
これは、算数の中でも最も“再現性の高い才能”です。
5. 点が伸びる子の共通点

①問題を解くだけで終わらず、“解き直しノート”を作っている
②解法を丸暗記せず、「どこで詰まったか」を言葉で説明できる
③正解でも「なぜその考え方で合っているか」を確認している
入試本番では、「知っている問題を確実に取る」ことが最重要。
1問1問の分析が、最終的な得点力をつくります。
6. 11月〜12月にやるべき算数トレーニング

・1日1題、図を描いてから解く練習を続ける
・過去問は“得点”ではなく“分析”を目的に解く
→ どの部分で迷ったか?
→ どの情報を見落としたか?
・難問は“最初の5分”の整理練習を欠かさずに
→ 条件を整理するスピードを高めることが目的
また、立体図形は「図を描く→見比べる→説明する」サイクルが効果的です。
たとえ完全解答ができなくても、5分間の可視化練習が得点アップの鍵になります。
7. 静岡・富士の受験生へ
算数で結果を出す生徒の特徴は、“量”よりも“思考の質”。
周りが焦って過去問を解く時期だからこそ、
自分は「図にして整理する練習」に時間をかける。
それが、最終的に点を取る生徒の共通点です。
文章題でも、立体図形でも、考え方の軸は同じ。
「見える化 → 整理 → 式へ」の順で考えること。
この“順番”さえ身につけば、12月以降の模試・過去問で一気に得点が安定します。
投稿者
荷川取
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