二次関数が嫌いな人へ|最大最小の場合分けを即座に見分ける4つの神ワザ
2025.7.5
荷川取
目次
はじめに
「最大値なのに軸を見るってどういうこと?」
「場合分けって言われても、どこでどう分ければいいかわからない…」
そんなふうに悩んだことはありませんか?
高校1年生で学ぶ二次関数の最大・最小問題。
中でも厄介なのが、文字が含まれる“場合分け”タイプの問題です。
でも安心してください。場合分けが必要な問題には、次の3パターンしかありません。
そして、どのパターンでも場合分けのやり方は一貫しているため、正しい考え方を学べば即座に見分けられるようになります。
場合分けが必要な最大最小の問題3パターン
パターン | 特徴 | 例 |
---|---|---|
① 軸が動くタイプ | 軸の位置(\(x = −\frac{b}{2a}\))が文字で決まる | \(y=x^2−4kx+2\) |
② 定義域の片側が動くタイプ | 範囲の右端または左端が文字で動く | \(y=x^2−2x+1(k≤x≤4)\) |
③ 定義域の両側が動くタイプ | 範囲の両端が文字で動く | \(y=x^2−3x+2(k≤x≤2k)\) |
神ワザ1
どこに文字定数があるのかを確認し、どのタイプかを瞬時に判断!
下に凸(a > 0)で最小値を求める場合分け
最小値は谷底=軸で出るのが基本。
でも、軸が範囲外なら、最も近い端点で最小値が出る!
🔽【場合分けと見るべきポイント】
軸の位置 | 最小値が出る場所 | 見るべきポイント |
---|---|---|
軸 < 範囲の左端 | x = 範囲の左端 | 軸が範囲に入っていないか? |
軸 が範囲の中 | x = 軸 | 範囲の中に軸があるか? |
軸 > 範囲の右端 | x = 範囲の右端 | 軸が範囲を超えていないか? |



神ワザ2
下に凸の最小値は「軸が範囲内にあるかどうか」で分ける!
下に凸(a > 0)で最大値を求める場合分け
最大値は、両端のどちらか(または両方)で出る。
だから見るべきは軸と定義域の“中心(中央値)”との関係!
🔽【場合分けと見るべきポイント】
軸の位置 | 最大値が出る場所 | 見るべきポイント |
---|---|---|
軸 = 中心 | 両端(同じ値) | 定義域の中心 = (下限+上限)/2 と軸が一致? |
軸 < 中心 | 上限(右端) | 軸が左寄り → 右端の方が高い |
軸 > 中心 | 下限(左端) | 軸が右寄り → 左端の方が高い |



神ワザ3
下に凸の最大値は、範囲の中央で場合分け!
ここでは“軸が範囲に入っているか”ではなく、“どちら寄りか”を見る!
上に凸(a < 0)の場合は見方を入れ替えよう
💡上に凸のとき:
- 最小値 → 両端どちらかで出る
- 最大値 → 軸で出る(谷ではなく山になる)
つまり、下に凸の最小値の考え方 ↔ 上に凸の最大値の考え方を入れ替えればOK!
凸の向き | 最大値の探し方 | 最小値の探し方 |
---|---|---|
下に凸(a > 0) | 軸と定義域の“中心(中央値)”の関係で場合分け | 軸と範囲の関係で場合分け |
上に凸(a < 0) | 軸と範囲の関係で場合分け | 軸と定義域の“中心(中央値)”の関係で場合分け |
神ワザ4
上に凸の場合分けは、下に凸の場合分けの仕方を入れ替える!
例題:軸が動くタイプで最小値・最大値を求めてみよう
例題: \(y=x^2−4kx+2(1≤x≤5)について、kの値によって以下の問いに答えよ。
(※a = 1 → グラフは下に凸)
(1) 最小値を求めよ(※下に凸)
🔍 Step 1:軸の位置を求める
\[x = -\frac{b}{2a} = -\frac{-4k}{2} = 2k\]
🔍 Step 2:軸と範囲を比べて場合分け!
条件 | 最小値が出るxの値 |
---|---|
2k<1 | x = 1(左端) |
1≤2k≤5 | x = 2k(軸) |
2k>5 | x = 5(右端) |
👉 着目ポイント:軸が範囲に含まれるか?含まれないか?
(2) 最大値を求めよ(※下に凸)
🔍 Step 1:定義域の中心を求める
\[\frac{1 + 5}{2} = 3\]
🔍 Step 2:軸(2k)と中心を比較して判断!
条件 | 最大値が出るxの値 |
---|---|
2k=3 | x = 1 または 5(両端、同じ値) |
2k<3 | x = 5(右端) |
2k>3 | x = 1(左端) |
👉 着目ポイント:軸が中心より左か右か?それによって片端が決まる!
まとめ:「場合分けの流れはこう判断する!」
🔻最大・最小問題の3ステップ
🔹Step①:グラフの向き(aの符号)を見る
- a > 0 → 下に凸(∪)
- a < 0 → 上に凸(∩)
🔹Step②:軸を求める(x = −b/2a)
🔹Step③:目的(最大 or 最小)に応じて比較する
求めたい値 | 比較の相手 | 判断のポイント |
---|---|---|
最小値(下に凸) | 軸と範囲 | 軸が範囲内なら軸、外なら近い端点 |
最大値(下に凸) | 軸と中心 | 軸=中心→両端同じ/左右どちら寄りかで決定 |
※上に凸ならこの表を“逆”にして使えばOK!
おわりに
場合分けが難しいのは、「どこに注目すればいいか」が分からないから。
でも実際には、
- 最小値:軸と範囲の位置
- 最大値:軸と範囲の中心
この2つを見るだけで、処理の流れはパターン化し、瞬殺できます。
「いつもなんとなく両端を代入していた…」という人こそ、
今日からこの判断法で、自信をもって即答できるようになります!
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投稿者
荷川取
富士校舎の校舎長荷川取です!
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